私は、仕事柄、フォワーダーの人と交流することが多いです。そんなときの一コマ。「うち、新規が来ても断ることが多いんだよな~」
なぜ、フォワーダーは、せっかくの新規顧客を断ることが多いのでしょうか? この記事では、フォワーダーが荷主からの見積もり依頼を断る理由。つまり、相手にしたくない依頼(荷主)の特徴をごご紹介していきます!
荷主からの依頼を断る3つの理由
荷主側の立場からすると、せっかく見積もり依頼しているのに断るとは何事だ!と感じられるのもわかります。日本では、お客様は神様との誤った認識がはびこり、どうしても….
依頼側(客側)>>受ける側
の考えを基準にして物事を進める方が多いです。しかし、少なくても、フォワーダー業界では、この考え方は通用しないです。招かざる客は、一切、相手にしない。普通に「別の所に言ってください!」と言いそうな雰囲気すらあります。
なぜ、断る?
なぜ、荷主からの依頼を断ることが多いのでしょうか? まず根本的な理由は「商売にならない客(依頼)」だと判断しているからです。フォワーダーは、営利企業です。自社に利益をもたらす人がお客さんであって、それ以外は違います。
例えば、貿易の事でわからない部分があり、見積もりと同時に貿易相談のようなことしてくる方は、断られる可能性が高いです。このようなお客さんは、手間だけがかかります。しかも、実際に輸送依頼につながることも少なく、対応するだけ損することが多いです。
では、どのような荷主さんであれば、フォワーダーは歓迎するのでしょうか? つまり、この逆がフォワーダーがあなたの見積もり依頼を断る理由でもあります。
フォワーダーが歓迎する見積もり依頼の条件とは?
- 法人格があること
- 見積依頼に具体性があること
- 輸送に必要な準備ができていること
- できれば、案件に継続性を感じられること
まず重要はことは、見積もり依頼の本気度です。ようは価格比較サイトを使うように、単なる価格比較の目的で見積もり依頼をしていないか?を見ています。単なる合い見積もり目的なら「他に行ってください!」との本音を隠しつつ、見積もり依頼を断ります。
1.法人格があること
フォワーダーは、できれば、法人と付きたいと考えています。法人でなければ、個人事業主です。それ以外の「個人」は、99%と断られるとみて間違いないでしょう。与信問題、資金問題、貨物の問題等、輸送取引上、発生するリスクに対してしっかりと対応できるか?を見ています。

ようは、個人は信用がないから付き合いたくない!ということです。
2.見積依頼に具体性があること
見積依頼に具体性があることもポイントです。
例えば、北海道札幌市から沖縄県那覇市まで荷物を運ぶとしましょう。この間の輸送費を知る為には、箱3辺の大きさと重量、品目が必要だとわかりますね!そして、当然、具体的なお届け先等も必要です。つまり、見積もりには、見積もりをするだけの情報が必要なのです。
例えば、「中国から日本までの輸送費はいくらですか?」と聞かれても困りますよね?
- 中国って? 上海?深圳? それとももっと地方?
- 日本って? 北海道? 東京? 沖縄?
- で、何を運ぶの? どれだけ?
等、質問ばかりが頭に浮かぶと思います。少し乱暴な言い方をすると「本当に見積もり依頼をしているつもりなの?」と首をかしげたくなるほど、具体性がない物があります。具体性がない見積もり依頼は、フォワーダーは無視します。これは当然ですね!馬鹿らしくてメール返信すらするのをやめると思います。
具体性を感じられる見積もり依頼
- 見積の背景:自社の事業領域と取り扱い品目、月間の依頼見込み数
- 自社URL:フォワーダーが自社を理解するための情報
- 輸送区間:どこから、どこへ運ぶ?
- インコタームズ:CIP? FCA? わからない場合は相談希望と記載
- 品目:何を運ぶのですか?(できれば、商品URL等も含む)
- 輸送サイズ:品目を梱包したときの三辺のサイズは?
- 輸送数:それを何個輸送しますか?
- 輸送期間:急ぎですか?(航空便・船便などの選択)
などをまとめると、フォワーダーは。具体性がある見積もり依頼として取り扱い、依頼を受けてくれる可能性が高いです。
3.輸送に必要な準備ができていること
フォワーダーの事業領域は、国際輸送の手配です。基本的に、その前後にある作業の代行等には対応していないです。
例えば、お酒の輸送を依頼するときは、酒税ライセンスの取得や酒販ラベルの貼り付け等の指示が必要です。フォワーダーは、これらについて助言をしてくれても代行等には対応していないです。
基本的に国際輸送以外の全ての部分は、荷主さんが対応することです。輸入時の法令確認も含めて、全てご自身で行うことを前提として、輸送依頼ができると考えましょう!まさにこれが「輸送に必要な準備」です。なお、フォワーダーは、資金リスクを嫌う為、リアルタイム口座の開設も有効です。
フォワーダーは、こういう荷主を嫌う
- 必要な書類を用意していない。
- 輸入法令を確認していない
- 輸送以外の部分を頼ってくる。しかも無料で!
- 貿易コンサルと輸送依頼の区分けができていない。
4.できれば、案件に継続性を感じられること
できることなら、依頼案件に継続性を感じられると良いです。
例えば、見積もり依頼時の自由記入欄に、現在の自社の輸送実績と今後の展開予定等を記載しておくと、継続性を感じられて非常に良い印象を与えます。
以上の4点を意識して、少しでもフォワーダーが対応してもらえる見積もり依頼にしましょう!
まとめ
- お客さまは神様との間違った常識は通じない。
- フォワーダーは、商売にならない荷主を相手にしない。
- 継続性、具体性、属性情報を揃えましょう。
- あなたがあ”遊び感覚”で依頼すれば、必ず無視される。
- どのような情報があれば、見積もりしやすいかを考えよう。
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